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忍び寄る改悪2

現在、あらゆる役所のなかでもトップクラスに世間知らずである人事院を中心に、新人事制度が実施に向けて爆走している。人事院のHPに書かれているとおり新人事評価制度は現在各省庁で試行が行われている。

制度の詳細は人事院のHPを見てもらえればわかるのであるが、非常にサックリと説明するならば、この制度は職員を「能力評価」と「業績評価」をもって評価し、昇進や昇給、賞与に影響を与えることを想定している制度である。

それだけ書くと新聞各紙で絶賛されそうな内容であり、おそらくこの内容を真正面に実行すればミンカンで行われたような悲惨な人件費カットも可能である。マスコミによって世の怒りのはけくちにされている国家公務員を弾圧するには最適な制度と言えるだろう。

さて新人事制度の「能力評価」は「職務行動評価部分」、「業績評価」は「役割達成評価部分」と言う言葉に置き換えられているが、それはどんなものだろう。人事院HPの第2次試行の部分に「評価シート」なるものがあり内容を確認できる。試しに一番下っ端用になる「本府省係員級」を見てみよう。

「役割達成評価部分」はいきなり白紙であるので、これについては後で述べる。一方、「職務行動評価部分」はいろいろと書いてある。そこには例えば、

・情報や資料を分かりやすく分類・整理する
・情報を正確に伝達する
・失敗や困難にめげず仕事に取り組む

などと書いてある。「ハァ?」を10回くらい連発したくなる内容である。分かりやすくとは具体的にどのように分かりやすくなのか。正確にとはどのように正確なのか。失敗や困難にめげないというのはどういう態度なのか。だいたい、失敗や困難にめげずに強がっていたらメンタルになった、ではシャレにもならない。こんなもの、評価者である上司の心証が全てではないか

つまり「いかに上司様に気に入られていますか?」という評価内容なのである。これが昇進に影響する。もちろん、現在の制度でもゴマスリが出世する弊害はあるのだが、制度として茶坊主を推進するなどもってのほかである。

そして、年功序列制度の大弊害、いわゆる「問題上司」がこのような評価を下すことになったらどうなるだろうか。パワーハラスメントで部下を追い込む、面倒な仕事を部下に押し付ける、管理者が出て行かなければならない局面で逃げ回る、そんな連中の心証で昇進が決まりかねない。

複数の上司が評価すればそのような被害を軽減できる可能性はある。しかし、いかに馬鹿な上司でも評価者には違いない。そこでつけられたマイナス評価は経歴としていつまでも残り続ける。だいたい、能力主義というのは上記のごとき「問題上司」が(相対的に)高い給料で年々昇給してゆくことが問題だから行われる面もあるはずなのに、その連中が評価者としてのざばってゆくのでは本末転倒である。

適正な評価を担保する手段がない、というかいわゆる問題上司のことを想定すらしていない。トホホ人事制度の欠陥のひとつである。
(続く)

忍び寄る改悪

※気がつくとかなりの期間、塩漬けにしていたエントリです。よってこれも内容古いです(笑。

最近あまり取沙汰されていないが、新聞様お得意な主張のひとつに公務員への能力主義導入というのがある。公務員叩き記事でしばしばお目にかかる文言である。能力主義そのものに反対するわけではないが、民間企業ですら様々な弊害が報告されている制度である故導入には慎重な議論や検討も必要だと思う。

民間企業が能力主義で失敗してもその企業の組織が弱体化するだけだが、これが行政組織となると国民へのサービス低下につながりかねない大問題である。だが私が知る限り、どのマスメディアもこの問題には無関心。所詮、能力主義だの成績主義だの騒いだところで、本音は「ミンカンと同じく公務員苦しめ」という次元の低い感情があるだけだからなのだろう。

能力主義と言っても結局は人件費削減の方便に過ぎないのだから、給料が減って苦しめ苦しめ、それでよい、となるわけだ。本気で市民のため、国民のためを思うなら、行政の仕事を「評価」するという難問から目を背けたりしないはずだが、現在のところ全く問題にする気配はない。

もちろん、知らないところでコッソリと制度改正が行われているならば仕方がないことである。しかし、国家公務員の能力主義導入については人事院のHPで「新たな人事評価制度」と銘打って公開されているのである。マスコミ諸氏が全く興味を示さないこの新人事評価制度であるが、HPで中身を見れば問題だらけの内容であることは明らかである。まずは内容をご覧いただきたい。
(続く)

古いです

※以前書いたままアップしなかった記事です。よって古い内容です。

 最近ではモンスター○○がよく話題になるようである。よくわからないものや理解が及ばないものに対してレッテルを貼り付け、思考を停止したがるのは昨今の新聞やテレビの得意技であるが、これもその一環なのだろうか。

 それにしても、ひとたび問題が起こると当事者を無視して管理責任ばかり狂ったように騒ぎまくるマスコミ諸氏が、眉をひそめながら「常識のないモンスターペアレントが」とか「モンスターペイシェントが」とか、さも良識人のように語っているのを見るのは実に滑稽である。

 だいたい「権利意識ばかり高くなり」などと、どの口がおっしゃるのやらと呆れてしまう。自分達がそれを助長していないとでも思っているのだろうか。その報道ぶりはマッチポンプの見本市と言ってよいだろう。

 悪者をでっちあげて叩きに叩きたいテレビや新聞にとって、モンスター○○は格好の攻撃対象である。社会生活をしていれば、誰しも、ワガママで救いようのない人を見かける機会はあるから共感を得られるし、かと言って具体的な誰それさんじゃないからいくら叩いても訴えられることは絶対にない。

 しかも、叩くことによってマスコミが「ダメな日本人を批判している」という構図になり、大義名分もつく。実際、モンスター批判をすることで現場の人間の苦労が伝わることもあり、良い面もある。

 しかし、モンスター叩きというやつは冷静にとらえないと、一般人を萎縮させてしまうこともある。つまり、何を言うにしても「こんなことを言ったらモンスターに見られるのでは」と感じたり、声の大きい人が「あの人は揉め事を起こすモンスターだ」とレッテルを貼られたりする危険もありうる。

 とかくモンスター関係の話題は、白黒はっきりした鮮烈な内容で語られるので見ていてとても痛快である。しかし個人的経験から思うのは、現実のトラブルというのは大抵どっちもどっち、ということである。片方が完全悪みたいなことはレアケースである。単純化された世界でのモンスター狩りに慣れきってしまうと、そのことを忘れてしまいがちになる。

 世の中には救いようのないアホもいるが、何かのきっかけで良識を取り戻す人もいる。でも、相手を「モンスター」と名づけた瞬間から和解の道は閉ざされる。相手は完全悪の敵となってしまうからだ。だが人間というのはそれほど単純じゃないし捨てたもんじゃないと思う。

 他人を怪物と呼ぶことは簡単でわかりやすいが、それはときに危険な考え方になりうる。マスコミに乗せられてそういうことを忘れてしまわないよう、気をつけたいものである。

自己陶酔

 厚生労働省広島労働局の落合淳一局長が6日、連合広島の旗開きであいさつし、製造現場への労働者派遣が解禁された2004年の労働者派遣法の改正について謝罪したそうだ。

 単純に評価する向きもあるようだが、何をいい人ぶっているのだろうか?というのが率直な感想である。本当に申し訳なく思うならさっさと辞職して退職金も国庫に返納すればよいのである。

 だいたい「労働行政の誰かが職を辞してでも止められなかったということは、謝りたい」って、誰かって誰だよ。勝手に周りを悪者にするなよ、と言いたい。「私が」と言うならともかく「労働行政の誰かが」などと他力本願このうえない。謝罪などと言いながら遠まわしに「俺は悪くない。悪いのは他のやつ」と言っただけである。

 仮にも国会で決まったことで、役所が全部悪かったようなことを発言するのだから神経を疑う。この人と一緒に働いた人はうかばれないだろう。こういった無責任な発言は現場の人間を攻撃する材料に使われる可能性もある。「お前らが悪いんだろ!局長も謝罪してるじゃないか!」と法案作成に全く関与していない人間が被害にあうこともありうる。

 雲の上からの放言で現場の人間に迷惑がかからなければよいのだが。

自己防衛のすすめ

元厚生事務次官連続殺傷事件。ついにこういうのが始まってしまったなぁと思う。銃刀法違反で逮捕された小泉容疑者は、元事務次官の住所を「職員住所録」で調べたそうだ。テレビを見ると、わざわざ実際に図書館まで行ってレポーターが調べ方を解説していた。「模倣犯 募集中!!」と言ったところか。

今から数年前、ある地方局で職員録に住所を掲載するように言われたことがある。聞けばその職員録は一般の方が手にできる代物だという。無論、即座にお断りした。個人情報の取り扱いが厳重に行われている現在、しかも公務員というだけで不当な差別を受けることがある世の中だと言うのに、そんなものを平然と作っている某地方局の世間知らずぶりには唖然とさせられたものだ。

今回のような卑劣な犯罪に利用されてしまった職員録。マスコミ様が具体的にわかりやすく周知してくれたおかげで今後存分に悪用されることだろう。私のように始終異動をしている人間だと職員録の情報はあてにならないが、もしかすると、職員録の住所に住んでいるだけの一般人だって犯罪に巻き込まれるかもしれない。

今後は一般向けの職員録の廃止と古い職員録の廃棄を訴えていく必要がある。なにしろ命がかかっている。もしこの記事を見ている公務関係者がいらっしゃるならば、とにかく用心してほしい。公務員に不平を言うだけでなく、実際に襲い掛かり死に至らしめるという一線が超えられてしまった。同じことを考える輩が出てくることは、通り魔事件が多発したときの状況を考えれば想像に難くない。

残念ながらネットの世界ですらこの一連の殺人を「天誅」などと誉めそやす輩がいる。ありとあらゆることを行政や役人のせいにするという洗脳の効果は抜群だ。外に出れば狂気の人間に襲われる危険があることを常々念頭に置いていただきたい。被害にあってマスコミを喜ばせ、関係者を悲しませるようなことがあってはならない。

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Author:Hamras
職業 国家公務員(ノンキャリア)

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